12/28(金)~31(日) 北八ヶ岳(縞枯山~白駒池~ニュウ~天狗岳)

秋には南八ヶ岳を縦走したので今年二度目の八ヶ岳ですが、北八ヶ岳には本当に久しぶりにやってきました。初日は雪の無い山麓からピラタスロープウェイで一気に稜線へ。山頂駅から外に出るとそこは一面の銀世界!湧き上がる興奮を抑えながら手早く身支度を整えて、9時半過ぎにまずは縞枯山を目指して“サクッ”と雪面に足を踏み出した。今年は雪の量も少なく踏み跡もしっかりあるので、ラッセルに喘ぐこともなく歩を進めることができましたが、やはり八ヶ岳の寒さは別格だなと今回も感じてしまいました。他の山域よりも空気が乾燥しているせいか、同じ氷点下20度でもいっそう空気が冷たく感じます。冷たいというよりは痛い冷たさといった感じでしょうか。下界でバッテリー残量が86%だった僕のスマホですが、山中では残量1%と表示されて電源が一瞬で落ちてしまいます。懐に入れて温めてみても、30秒ともちませんでした。
初日は白駒池の畔の青苔荘でテント泊。13時半と予定より早めに着いたので僕とSさんはシュラフに潜って昼寝タイム。Fくんはというとウイスキーをやりながら読書タイムを楽しんだそうです。夕飯は具たくさんの鍋です。白菜、長ネギ、豚肉、シメジ、ソーセージなどなどがたっぷり入っていて、仕上げは煮込みラーメンです。旨かった~。ごちそうさまでした。
翌朝目覚めると、木漏れ陽が差し込む気持ちのいい青空が広がっていて気分は上々です。テントを撤収していざ出発。白駒池を迂回し、ニュウ(標高2351m)の山頂へ。山頂から南八ヶ岳へと連なるの峰々が一望できました。感動的だったのは、見渡す限りのオオシラビソの森が凍てついた純白の樹氷となって眼下に果てしなく広がっている景観です。まさに冬の北八ヶ岳らしい展望でした。本当に素晴らしかった。
ところで「ニュウ」という独特な山名の由来に興味が湧いたので、下山後に調べてみるとどうやら諸説あるようです。その中で新日本山岳誌(日本山岳会編著)によると、『山容が①女性の乳房(=にゅう)に似ている、あるいは②刈穂で円錐形などに積み上げた稲わら(=におと地元で呼ぶ)に似ている、③にゅうと出ているなどから、こう呼ばれるようになった』ということらしい。地名の由来はいつも新しい発見があって面白いですね。
さて、中山峠から少し下って黒百合ヒュッテまで辿り着いたところで、まずはここにテントを設営。正午前と時刻も早かったので、天狗岳登頂に向かうことに。不要な装備はテント内に置いて荷を軽くして出発。森林限界を越えるとクラストした雪面が現れ、アイゼンを利かせて慎重に岩稜を登っていく。素晴らしい展望が広がっていますが、あまりに風が痛くてゆっくり止まって展望を楽しむ気にはなれませんでした。13時半、東天狗岳山頂(標高2640m)に登頂。360度の大パノラマです。南北には北八ヶ岳と南八ヶ岳の峰々がすべて見渡せます。西には諏訪の町の向こうに南アルプスの甲斐駒ヶ岳や仙丈岳そして遠くに中央アルプスも望めました。でもとにかく寒い!10分ほど山頂にいたでしょうか?みんなで登頂写真を撮るとさっさと下山を始めました。15時頃黒百合ヒュッテのテントサイトへと戻ってきました。残すは最終日の下山のみ。その夜はこころおきなく旨い鍋とお酒を飲んで仲間たちとゆっくり過ごしました。本当に楽しい山行をどうもありがとう。お疲れさまでした。