岩登りで鷲ノ巣岩を訪れるのは随分久しぶりです。この時期は松茸シーズンで一般ハイカーは入山禁止になっています。クライマーに関しては以前は大丈夫と聞いていましたが、現在はどうなのかを和気アルプスを管理している藤本さんにメールをしました。すると丁寧な返信をいただき使用して良いとの事でした。ただし例外として認めているのでクライミングエリア以外に入らないようにとの事です。土曜なので誰もいないと思っていましたが、和気中学の駐車場にはすでに車が1台。岩場まで登り、祠前で準備をしていると1名登ってきて後からも登って来ていると言われました。私達は一番簡単なルートを登る為に、まずはスラブを登り西南横のエリアに移動しました。まずは私がリードで登ります。久しぶりなので支点の位置が良く分からず、あっても錆びているので岩と同化しており、近くに行かないと発見しにくい感じです。かなりランナウトして支点をとり登りきりました。上の木で支点をとりロープを折り返しトップロープにして2人には登ってもらいました。さらに少し横のルートを2本目各自登りました。そうしている内に下からはKさんやMさん・SEIさんらの鷲ノ巣常連パーティが登ってきて、西南やチムニー付近に取り付き始めました。SENさんも来ているようで奥の凹角あたりに入っている様子。ベテラン揃いで肩身が狭い感じです。とりあえずあと登れそうな西南横より岩のトップまで登るルートに挑戦。上部に至るとかなり高度感があります。私がリードで登り、セカンドのF君が1本ロープを引き上げて、上でビレイ交代し、サードのUさんを引き上げます。11時頃になり暑くなってきたので水分補給と昼食の為に祠まで降りました。昼食を食べた後、三次から来ているF君は今晩の大山夜間山行に備えて早目に下山。残った私とUさんもおしりに根が生えかけていましたが、なんとか引きはがし、登りにかかりました。西南下のルンゼが大分乾いていたので、そこをフリーで登り、登った所にあるビレイポイントでUさんにビレイをしてもらい私がリードで登ります。昔リードで登った事がありますが支点の位置がわからず、ビレイポイントから10メートル程度登った所で、支点が見つからず立ち往生。岩の隙間を発見したので、たまらず先日買ったばかりのカムを差し込みます。あらためて周囲を見ると1メートル程左にチョークの跡を発見しその先の岩の裏側に錆びたボルトを発見。2本打ってあったので、念のため2本にそれぞれヌンチャクを掛けて一安心。先程のカムを回収しさらに登ります。しかしその先に支点は見当たらず、さらに長いランナウトに耐えなければなりません。ハングした岩を越えるのに、このまま落ちたら先程の支点はあっけなく抜けると思われ、墜落係数2以上でひとたまりもありません。またしても岩の隙間にカム差し込んでロープを掛けます。ガバは結構あるので、そのまま登り切りました。しかし、カムのスリングを延長していなかったので、ロープの屈曲が大きくなりロープが重たくなってしまいました。この辺の判断が甘いと思います。上部でUさんを引き上げる準備をするもロープが重く体重を掛けて渾身の力でロープを引っ張りビレイします。Uさんが登り、ギアを回収してくれると徐々にロープが軽くなりUさんが登ってきました。最後に欲が出て、もう1本と思い、テラスから小テラスまで懸垂で降り、踊り場直登に挑戦。ここは難しいのでトップロープにしましたが、ちょっと登った所で指に力が入らず諦めて降りて下山しました。久しぶりの鷲ノ巣は簡単なルートしか登っていませんが、甲岩より高度感と達成感のあるルートで楽しめはしましたが、絶対に落ちない自身が無いとかなり怖いのは以前と変わりません。ベテランの方々はルートを知り尽くしていて縦横無尽に登っておられちょっと憧れました。4級程度には登れるようになりたいものです。