7/16(土)~18(月)  白馬三山(個人山行)

旧会員のMさんと計画していた白馬三山縦走に行ってきました。二人とも最近は長時間歩いていないという事で、3度のトレーニング山行を行い体調も整えて来ました。行き帰りの交通手段の段取りから宿の予約、ルート選定まで全てMさんが行ってくれたので僕は自分の準備に専念する事が出来ました。今回の荷物は水2リットル、ウイスキー700ミリリットル込みで11.5キロでした。
神代駅そばのリバーサイドやまやに前泊しました。山小屋風で雰囲気があり、翌日白馬駅まで送迎もしてもらえました。白馬駅から始発のバスで猿倉に向かい、猿倉に到着するとすでに沢山の登山者が準備をして賑わっていました。猿倉から大雪渓入口の白馬尻小屋の手前まではしばらく林道が続きます。白馬尻小屋は今年度は営業しないそうで閉まっていました。Mさんや大部分の登山者はここで軽アイゼンを装着していました。高校1年以来34年振り2回目の白馬大雪渓ですが、全く記憶が無くて初めて来た感覚でした。踏み後があるので、基本的には歩きやすいその踏み跡沿いに歩きます。天気予報が悪かった影響で行列になるほど登山者はいなかったので自分のペースで歩くことができました。多い時には本当に上から下まで行列になるそうです。雪渓の足元はやわらかめで崩れやすいですが、アイゼン無しでも十分歩けます。ただし雪に慣れてない場合はあった方が登りやすいと思います。雪渓上の吹く風は夏とは思えない涼しさで、半そででは寒いくらいでした。夏なのに汗をかかない不思議な感覚です。標高2200m付近で雪渓を外れ尾根に登ります。尾根に登ると見晴らしも良くなり名前は良くわかりませんが高山植物が沢山現れるようになります。標高2400m位に雪渓を横断する場所があります。この雪渓は小雪渓と呼ばれています。普通に注意して歩けば問題なさそうな感じです。小雪渓の南側に見える鋭い岩峰が天狗菱です。ガスの切れ間から一瞬だけ見る事ができました。小雪渓を渡ると広々としたお花畑の中を頂上宿舎を見ながらゆっくり登っていきます。頂上宿舎に到着した頃にはガスも薄くなり、杓子岳をはっきり見る事ができました。本日分の行動食のパンは食べつくしたので、食堂でカレーを頂きました。具にイカリングが入っていて味もレトルト感が無くて美味でした。一服してから荷物を置いて白馬岳山頂に向かいます。白馬岳山頂は今回で4回目です。高校時代の1回目は山頂での展望があったかどうか記憶がありませんが、2回目、3回目はガスと雨で展望はありませんでした。残念ながら今回も微妙なガスで展望はありませんでした。山頂付近は崩壊が進んでいて、大山の様に将来山頂碑を移動する事になるかも知れません。山頂直下には収容人数日本最大1200人の山小屋である白馬山荘があります。今回泊まる村営白馬岳頂上宿舎は2位の1000人ですが、建物は白馬山荘の方がかなり大きく見えました。おしゃれな食堂でガスった景色を見ながらアイスコーヒーを頂きました。Mさんがアイスコーヒーを頼んだので釣られてアイスコーヒーを頼みましたが、ビールにすれば良かったと後悔しました。飲み終わると小屋に戻り受付を済ませて、夕食時間まで寝床でのんびりした後、共有スペースで一杯飲みながらまったりと時間を過ごしました。夕食は山小屋では初めてのバイキング形式で、色んな小さいおかずが沢山並べられていました。好きなものが選べる反面メインのおかずがありません。結局全部の種類を少しずつ取るようになります。味は素朴で美味しく体に良さそうなものばかりでした。
2日目の朝食も同じくバイキング形式で夕食とかなり似ているような感じでした。ところどころ朝食っぽいメニューがありますが、品数は夕食と同じくらいあった気がします。なので同じように少しづつ取ってしまい、朝からかなりのボリュームになってしまいました。おなかパンパン状態で行動を開始しました。最初に旭岳を目指します。白馬岳山頂に向かう時に左手に雪を大きく抱えてどっしりとした山が旭岳です。旭岳に向かう途中に結構広範囲に残っている雪渓があり、部分的に凍っている個所があるので、凍っている部分を避けながら慎重に進みます。部分的に傾斜が強い個所があるので、結構神経を使いました。旭岳をトラバースしながら南の尾根に向かい、尾根伝いに山頂を目指します。トラバースしている道中のお花畑の面積と花の量は今まで見た中で一番規模が大きく圧巻でした。旭岳の登り口からは結構なガレ場でルートも分かりにくく、細い稜線もあったりと飽きずに楽しく歩けます。地図上ではすぐですが、歩くと倍以上の体感距離がありました。山頂の標識がありますが、その横に山頂より高い岩峰がありました。若い時で岩が乾いていれば行ってると思いますが、ガスで岩が湿った状態でもあり(乾いてても)全く行く気は起りませんでした。山頂では相変わらずのガスで展望はありません。ザックを置いた登り口に戻る直前に小雨が降り始めてカッパを着る事になりました。雨が降った事もあり、予定の清水岳はパスして天狗山荘に向かうことにしました。稜線まで戻ると雨も止んでガスも少し晴れて杓子岳方面の縦走路をはっきり見る事が出来て力も湧いてきました。丸山にもう少しで到着する時に上方に雷鳥の姿が見えました。そのまま登っていくと雷鳥はゆっくり離れていきましたが、そばにはヒナも数羽いてとても可愛かったです。杓子岳に向かう道中では高山植物の女王であるコマクサも何度か見る事が出来ました。Mさんは大学時代に頂上宿舎で1か月アルバイトした事があるそうです。その時はコマクサはほとんど見なかったそうなので保護活動により増えてきているのかも知れません。杓子岳はトラバースルートもありますが、展望は無さそうですが、折角なので登ります。山頂は長野県側が崩壊しており、安全の為にロープが張られています。ロープが無ければ滑落する人がいるのではないかと言うくらい危険な状態でした。杓子岳から白馬鑓ヶ岳間は高山植物が多く、なだらかなルートなので花を見ながらのんびり歩きます。白馬鑓ヶ岳あたりよりガスが濃くなり景色が見えなくなりました。明日下山する鑓温泉への分岐を見送って天狗山荘へ向かいます。稜線から外れ、雪渓を横切ると天狗山荘です。受付を済ませた後、やはり今回も行動食が足りなかったので食堂でカレーを頂きました。ここのカレーはモロにレトルトでした。しばらくのんびりしてから食堂で一杯やりながら時間を潰しました。夕食は旅館のような一人鍋が付いた料理で、生ビールと一緒に美味しく頂きました。朝食については出発が早いのでお弁当をお願いしました。
3日目は猿倉からのバスの時間を考慮して薄暗い時間での出発になります。昨日の夕食後に受け取ったおにぎり弁当を食べて出発しました。ありがたい事に今日も雨は降っていません。鑓温泉下降口からはしばらくつづら折りのガレ場が続きます。かわり映えの無い景色が続く地味なルートになります。鑓温泉の手前で雪渓に降りますが、結構傾斜があるのでアイゼン無しでは神経を使います。Mさんはストックを使用しているので快適そうです。鑓温泉に到着すると互いに写真を撮り合いながら湯舟に浸かりました。露店風呂と内湯があり、暗い時間になると露天風呂が女性用になり、内風呂が男性用になるシステムです。お風呂に入ると終わった感が出ますが、下山まではまだ4時間くらいあります。温泉から上がるとすぐに小屋の人がブラシで湯舟をこすりながら掃除を始めたのでもう少し来るのが遅かったら入れなかったかも知れません。鑓温泉から少し下るとまた雪渓が現れますが、ここは傾斜が少ないので問題ありませんでした。雪渓が終わると延々のトラバースが続き、何度も谷を横切るので全体的に湿っぽくて濡れていて滑りやすいです。トラバースが終わり下りだすと間もなく猿倉に到着します。猿倉荘でもカレー(レトルト)と生ビールを頂きました。バス出発時間まで1時間ほどあったのですが、他の2人組パーティーがタクシーで一緒に行きませんか?と誘ってくれたので運よくタクシーで白馬駅方面に戻る事が出来ました。みみずくの湯で汗を流し、すぐそばにあるスノーピークランドステーション白馬に行きました。僕たちには縁の遠い高級キャンプ用具が展示販売していて、休憩スペースも全てスノーピークの製品でした。買う予定はありませんが、色んなアウトドアチェアの座り心地のチェックを行いました。そこから白馬駅に向かう道沿いにもノースフェイスやパタゴニアのショップがあり入りましたが、基本ファッション用のウエアの品ぞろえばかりで値段も高いので見るだけしかできませんでした。好日山荘もあったので一応寄って白馬駅に無事到着しました。帰りの電車中の晩御飯を買おうと思ったのですが、駅前にはコンビニがありませんでした。お土産屋の中でおばさんが店員さんに「どこかお弁当売ってるとことないですか?」とグットタイミングな質問をお店の方にしてました。そうすると、交差点向かいの「和かふぇ いちよし」というお店がおにぎりのテイクアウトをしていると答えてました。そのお店に行ってみると、色んな具のおにぎりを注文してから握ってくれるようでした。3種類購入しましたが、1個がコンビニおにぎりの3個分くらいあって、僕でも2個しか食べられませんでした。(残りの1個は翌日の朝ごはんになりました)普通の人は1個で十分と思います。味もとても良かったのでお勧めします。
今回Mさんが誘ってくれたおかげで久しぶりに北アルプスに行くことが出来ました。山行に合わせてトレーニングや減量、節酒などがモチベーション高く行えたので、今後も継続して山登りが楽しめるように体調管理していきたいと思います。