旧会員のMさんより7月の三連休に白馬岳に行こうをお誘いがあり、その前にトレーニングが必要という事で蓬莱山に登る事になりました。登山アプリで見ると登りの累積標高差が1463mあり、最近は午前中に下山し終える山行ばかりなので少し不安でした。蓬莱山は滋賀県の琵琶湖の西の武奈ヶ岳の南に位置する日本三百名山の一つです。山頂付近はなだらかで、ロープウェイとリフトが設置されており、びわ湖バレイスキー場があります。今年2月の積雪期に登った時は山頂がスキー場になっている事を知らなかったので登ってびっくりでした。見晴らしが良いのでロープウェイは通年営業(運休期間有り)なので雪が無い季節も家族連れやカップルで賑わっています。
Mさんとは京都駅で合流しました。8年ぶりの再会(前回はお互い息子を連れての大日岳縦走)でしたがお互い少し増量した程度で変わりなかったので安心しました。京都駅から湖西線に乗り換えて志賀駅で下車し、一度湖岸でびわ湖を眺めて出発しました。登山道は整備されて歩きやすいですが、展望がほとんどなくつづら折れの道なのであまり変化がありません。吹き出す汗を拭きながら黙々と登っていきます。休憩時には清親さんと電話をつないで昔話に花を咲かせました。標高734mには天狗杉という巨木があり、屋久杉を思い出すような予想を上回る大きさでした。天狗杉を過ぎると少し傾斜が緩やかになりますが、疲れが出ているのかあまり楽には感じられません。
登り切った所が打見山でびわ湖アルプスゴンドラの山頂駅となっています。登山道のすぐ横には山頂駅から蓬莱山につながるリフトが設置されています。思ったより観光客の来ていてガラガラと言った感じではなくそこそこ繁盛しているようです。最後100m程の蓬莱山の登りがあるのですが、疲労が溜まってるのと、打見山で登り切って登りは終了と体が勘違いしているせいなのかめちゃくちゃ足取りが重かったです。見る限りMさんも同じように見えました。去年8月に登った時は山頂の売店でアイスを売ってて食べたかったのですが財布を車に置いてきたので食べられなく悔しい思いをしていました。今回は着いたら食べてやろうと意気込んでましたが、飲み物しか売ってなくて今回も食べることはできませんでした。蓬莱山の山頂には一等三角点があり、広々していてあまり山頂っぽくありませんが360度の大パノラマで特にびわ湖の展望が素晴らしいです。
昼食は下山後の予定なので少し休憩したら下山路分岐の小女郎峠(こじょうろとうげ)に向かいます。峠までは四国の山を思い出させるのような、なだらかな笹原の縦走が続きます。小女郎峠の付近には名前の由来になっている小女郎ヶ池があります。小女郎ヶ池の周囲には休憩に適した平地があり、たくさんの登山者が休憩しています。昼食を採るなら山頂よりこちらの方がお勧めです。池のほとりには池の名前の由来を説明した看板が建っていました。要約すると、南船路村(現木戸南船路)に住むお孝は、ある日、この池の主に魅入られてしまう。夫久右衛門は、乳飲み子を家に残し、夜な夜な池に通う妻を心配し、その後をつけてみると・・・・。お孝はことのてん末を夫に話し、自分の左目をくりぬいて子供が泣いたらこれをしゃぶらせてほしいと頼んで池に消える。以後、この池は小女郎ヶ池とよばれるようになったという。という話です。この目玉を赤ん坊に与えてなめさせるという部分がなんだか記憶に残っていて調べると、日本昔話の「ヘビ女房」と言う話に似ているので記憶があったのかも知れません。あらためて日本昔話を見てみるとストーリーはちょっと違ってましたが、目玉を赤ん坊に与えてなめさせる部分はそのものでした。小女郎峠から下山口まではずっと谷沿いを下ります。下り始めは結構ザレて崩壊が進んでいるので注意が必要です。ほぼ下りきった辺りに水場と薬師ノ滝があるので頭を洗って汗を流しました。下山後しばらく車道を歩き蓬莱駅から乗車し帰路につきました。久々の長丁場でしたが痛い所も無く無事歩くことができました。