8/18(金)~20(日) 嘉明湖~三叉山~向陽山(台湾)

 4年前にネットで台湾の現地登山ツアーのサイトを見ていたら一つだけ湖が目的地のものがありました。その湖の名前は嘉明湖(ジャーミンフー)で標高3310mの場所にあり綺麗な楕円形をしています。別名「高山のサファイア」、「天使の涙」と呼ばれているそうです。嘉明湖に行く登山ルート上には台湾百岳の2座(三叉山3496m・向陽山3603m)もあるので行ってみたいと思っていました。2020年に計画はしたのですが、コロナの影響で実現はしませんでした。嘉明湖に向かうには一般的に2つのルートがあります。オーソドックスなのは伝統路線登山口から向陽山屋と嘉明湖山屋に宿泊しながら向陽山・三叉山を経由して嘉明湖を2泊3日で往復するコース。もう一つは反時計に稜線を周回するように戒茂斯登山口から沢沿いにテントで2泊して嘉明湖に向かい、三叉山・向陽山を経由して伝統路線登山口に下山するルートです。今回渡航の制限も無くなったのであらためてテント泊の現地登山ツアーをKLOOKを利用して申し込み参加してきました。
登山口である池上郷は台湾一有名な米どころで、池上米というブランド米を使用した池上弁当が有名です。昔は駅弁として売ってた様ですが、現在は弁当屋で池上弁当を売っています。弁当屋ですがイートインが可能です。全国に池上弁当屋はありますが、流石に本場の池上駅周辺には何件も池上弁当屋が軒を連ねています。台湾の中国語では弁当は「便當」とちょっと違います。池上郷滞在中に弁当と定食屋で池上米を食べましたが、日本人が期待して食べるとそうでもないのであまり期待はしない方がよいです。
初日の集合場所は台東県の池上駅前11時となっています。ワンボックスに載せられて約1時間半で戒茂斯(ジエマオスー)登山口に到着しました。登山口の標高は約1800mで、一度戒茂斯山の2500m程度まで標高上げて宿泊地の新武呂渓(シンウリシー)キャンプ場2200mまで下るような予定です。登山メンバーは台湾人のガイド女性、香港人男性3名、台湾人女性2名、日本人(僕)の7人パーティーです。今回のツアーはテント泊ですが、テントと朝食・夕食はポーターの人が別動隊で運んで設営と調理・後片付けもしてくれるので至れり尽くせりとなってます。ツアーの説明に細かく書かれてなかったので現地に着いてから届いた装備一覧表に寝袋や食器が含まれているのに気が付きました。ツアー装備に含まれているものと思っていたので持っておらず現地調達する羽目になりました。荷物の重量は水2リットル含めても10kg以下くらいだったと思います。濃い霧の中登山を開始しました。良く整備されて歩きやすい登山道をゆっくり登っていきます。ずっと樹林帯ですが、巨木があり全体的に苔むしているのでとても幻想的な雰囲気です。本日のキャンプ地に着く手前に一度膝下程度の沢の渡渉があります。足元の岩を積み重ねて浅くしたりしながら無事に通過しました。キャンプ地に到着するとすでにテントは設営され、タープを張った調理場では夕食の準備が行われていました。夕食はおかず5品と汁物とごはんでとても豪華でした。味も日本人好みの味で久々にほっとする味でした。食後に料理長がこれ飲んでみろとお酒をくれました。かなりきついお酒だったので聞いてみると高粱酒の58度のものでした。今回はお酒を持ってきてなかったのでありがたかったです。テントは3張り用意してくれていて、女性3名、男性2名2名の割り当てで就寝しました。どこのキャンプ地にもトイレは無いので野外トイレになります。到着がヘッドランプが必要なくらいの時間になり、翌日も5時起きなので、早々と就寝しました。
2日の行動予定は宿泊地の新武呂渓(シンウリシー)キャンプ場2200mから緩やかな尾根登って狩猟キャンプ場3100mまでとなってます。朝ごはんのおかゆを食べて出発しました。本日のルート上で特徴的なのは途中に3か所のキャンプ場において、その広さにより球技の名前が付けられていることです。最初に到着したのはバレーボールコートキャンプ場でまさにバレーボールコートが入る程度の広さです。次に現れたのはサッカー場キャンプ場、3つ目はゴルフ場キャンプ場です。特にゴルフ場キャンプ場はまさにゴルフ場の雰囲気があって名前がとてもしっくり来ました。この辺りより標高が3000mを超えてきて、木々の高さも低くなり見晴らしも良くなってきました。本日のキャンプ場の手前に妹池キャンプ場があります。ここには小さい池がありますが、水量も少なくあまり見ごたえはありません。時間も早かったのでここで大休止を取りました。休憩をしているとポーターの方たちが音楽を流し歌いながら通り過ぎて行きました。日本では見かけない風景だったのでとても新鮮に感じました。ここから100m程下ると沢沿いの狩猟キャンプ場です。ここは沢沿いに20張りほど整地されたスペースがあります。浅いですが沢の幅は3m程あり、大きな岩がゴロゴロあるので、腰かけたり寝そべったりとのんびり過ごす事ができます。夕食が出来るまでそばでくつろいでいると10m先の斜面に大きな鹿が2頭草を食べに来ていました。あまり人を恐れる様子はありませんが、5m程度まで近づくと逃げて行ってしまいます。キャンプ場の名前の由来が昔このあたりで狩猟が盛んに行われていたからなんだろうと納得しました。夕食は火鍋で辛いものと辛くないものが用意されていました。個人的には辛い方が好みでした。標高が3000mを超えているので星空を見るのを楽しみにしていましたが、曇っていて見ることが出来ませんでした。このキャンプ場ももちろん野外トイレです。基本台湾の高山のキャンプ場はただ場所があるだけで設備は基本無いみたいです。
3日目の行動予定は嘉明湖-三叉山-向陽山経由で下山です。朝テント内の温度を確認すると約10℃で、信州の夏山のイメージは14℃くらいなので同じか少し寒いくらいでした。外に出ると満点の星空で20年振りくらいの見事な星空で無数の星が空全体に広がっていました。眺めていると1分に1回程度流れ星が見えて、合計14個の流れ星を見ることが出来ました。本日は嘉明湖で日の出を見る為に4時起きの5時出発です。朝ごはんのおかゆを食べてヘッドランプ点灯で出発しました。最初に沢を渡って反対側の斜面をつづら折りにゆっくり登っていきます。登っていると少しづつ周囲が明るくなってきて景色が見えるようになってきます。登りきるとだだっ広い平原で、雲海も広がっていました。そこからしばらく進むといきなり嘉明湖が現れました。想像より大きく神秘的な雰囲気があります。タイミング的にもちょうど池の向こうの山から朝日がのぞきだしたので皆必死に撮影していました。特に若い女性はポーズを変えながら何度も撮影していました。このあたりで香港人のメンバーの一人が高山病の症状が出始めてペースが遅れ気味になりました。ここからはルートがはっきりしているのと携帯電話が繋がるので、ガイドさんと体調の悪い香港人と一緒に参加した友人がゆっくり歩いて、他のメンバーは自分のぺースで歩いて決めたポイントで待ちながら進む事になりました。次のポイントは三叉山で台湾百岳です。山頂に到着した時にもまだ雲海は広がっていて、遠くに台湾最高峰の玉山3952mが見えました。ここまで来るともう嘉明湖は見えませんが、かなり展望の良い広々した山頂で景色を見ながらゆっくり休める場所です。香港では筋トレが流行ってるみたいで、3人とも筋肉質で上半身裸になって記念撮影しているメンバーもいました。本来の予定ではもう一つの台湾百岳の向陽山にも登頂する予定でしたが、体調不良のメンバーは無理と言うことで、次は向陽山の登り口で合流する事になりました。この向陽山はピストンするので往復する間に追いつくだろうとの目論見でした。往復のコースタイムは70分だそうです。三叉山から300m程下ると向陽山北峰の登りになります。向陽山北峰には写真であれは何山と説明している標識があり、まともな地図が入手できなかったのでとても参考になりました。台湾の山で地図を検索しても全然希望通りのものが出てこないので次回行くときまでには台湾人の登山する友人に聞いておく必要があります。向陽山北峰からだらだら下りながらトラバースするように多少ガレ気味の道を歩いていくと遠くから赤い三角屋根が特徴の嘉明湖山屋が見えてきます。嘉明湖山屋の内部は日本の山小屋の様に2段ベッド状になった板間にあらかじめかなり厚めのマットが敷かれています。台湾の山小屋は大体こんな感じなのでマットは必要ない場合が多いです。山小屋と言っても基本無人のような感じなので、食事が必要な場合はツアーなどの団体で食事のサービスを申し込む必要がありそうです。見える場所にはメニュー表等無かったのですが、台湾人のメンバーに聞いたら麺類を注文して食べたと言ってたので、メニューは無いけど都合がつけば何かしら作ってくれるのかも知れません。昼寝をしながら40分ほど待ってみたのですが、後続が来なかったので先に進みました。向陽山の登り口に着いた時には向陽山の上部だけガスっていたので景色が見えないのは確定です。しっかりした岩場が多めの登山道を時々手を使いながら登っていきます。半分くらい登ったかな?と思った所が山頂でした。時間を測っていたのですが、17分でした。ガスって景色も見えないので記念撮影だけして下山したのですが、休憩込みで往復35分でした。登り口には1kmと標識があったのですが、登りで距離が1kmあって17分で着くわけがないのでもしかしたら台湾の標識は往復で書かれているものがあるのかも知れません。下山中にも黒水塘という池が往復して行く所に100mと書いてましたがどう考えても50mという場面がありました。向陽山の登り口でで30分位待つと向陽山に登頂する他のメンバーが到着し、1時間もすると最後尾も到着しました。体調の悪いメンバーは体調が良くなる気配が無かったので、荷物を出してもらい分担して下山を開始しました。次の合流場所である向陽山屋に到着しても体調は良くなりません。メンバーによっては帰宅の電車に間に合わなくなる恐れがあったので、ここからは荷物を全て下ろしてもらって空身で下山を開始しました。空身になるとしんどそうでしたが、普通のペースで下山が出来て無事ギリギリの時間で池上駅まで戻る事が出来ました。
今回は以前玉山のツアーに参加して以降2回目の海外登山ツアーの参加でした。台湾の国立公園内山に登るのには事前に申請が必要で、山小屋に泊まるのにも抽選で1か月前にならないと確定しません。日本の山の様に気軽に計画して行くことが出来ないので楽しい経験が出来ました。カタコトの中国語で会話したのですが、香港人の1人(今回体調が悪くなったメンバー)はカタコトの日本語が喋れて年に4・5回は日本に旅行に行くと言ってました。また別の香港人のメンバーも来週日本に旅行に行くと言ってました。日本は海外の人から見るとかなり魅力的な旅行先であると実感しました。このような現地ツアーは申請の代行や宿泊場所の手配、食事の準備、登山口までの送迎なも丸ごと対応してくれてるので値段の割には良いサービスだと思います。