7月の白馬三山縦走で体力に自信が持てたので、久しぶりに槍ヶ岳に行こうと思い計画を考えました。前回槍ヶ岳に登ったのは2001年で22年前になります。当時は28歳で、テント泊で新島々からパノラマ新道経由で奥穂に登って逆縦走で餓鬼岳までのルートでした。今回のルート取りですが、今までずっと先送りにして歩いて無かった奥穂~西穂間の縦走を含めて上高地から入山し新穂高温泉に下山する事にしました。白馬三山では小屋泊まりでお金を結構使ったので今回は青春18きっぷとテント泊で出来るだけ節約することにしました。
1日目 大正池~小梨平キャンプ場
最寄り駅を5:23分に出発し普通列車で京都-名古屋-中津川-松本と乗り継ぎ、松本駅から松本電鉄上高地線に乗り換え新島々駅で下車。新島々駅からハスに乗り、沢渡バスターミナルで乗り換え上高地大正池に16:40にやっと到着しました。時間も遅かったので、大正池には他に3人ほどしか観光客はおらず閑散としていました。大正池のバックには火山らしい雰囲気の焼岳がそびえています。よく整備された木道を歩いて田代池に向かいます。田代池方面への分岐は湿原になっていて正面には岳沢と吊り尾根、明神岳がドーンとそびえています。今回は時間も遅く天気も悪いのでイマイチでしたが、天気が良ければとても良い展望スポットです。
田代池は大正時代の焼岳の噴火で流れた溶岩が千丈沢をせき止めた事で出来た浅い池で、霞沢岳の伏流水が湧水になって緩やかに流れるので冬でも全面凍結しないそうです。田代池を後にして田代橋を通過する辺りでカッパが必要なくらい雨が降り始めました。田代橋横の東屋でカッパを着用し歩き始めるとすぐに雨は止みました。ウエストン碑を通過し河童橋に到着したのは17:45で観光客はほぼいない状態でした。
小梨平キャンプ場で受付を済ませトイレと炊事場が比較的近い場所にテントを設営しました。数年前にキャンプ場に熊が現れる事件が発生した影響と思いますが、寝る時には食料やゴミを大きなコンテナの中にしまうように指示されました。最近のキャンプブームの影響なのか、ここ数日の天気はイマイチな予報でしたが、広いキャンプ敷地内は適度に間隔が空きながら埋まっていました。家族連れのキャンパーが多かった様な気がしました。夕食時に水の補給で水場の蛇口からプラティパスに水を注ぐと真っ白な水が出てきました。放置すると透明になったので空気が混ざっていたのだと思いますが、最初は驚きました。いつもなのか今回だけなのか不明です。
2日目 小梨平キャンプ場~殺生ヒュッテ
朝4:30の暗いうちから出発しました。まだ活動している人はほとんどいません。林道を歩き明神館につく頃には明るくなっていました。明神館前のテーブルに荷物をデポして明神池に向かいました。明神橋を渡り嘉門次小屋を過ぎると穂高神社奥宮に到着します。明神池のほとりに行くには拝観料500円を払う必要があります。小銭が無かったのと神社の人も居なかったので今回は池を遠目に拝むだけにしました。また来ることはあるでしょう。
徳沢方面に少し進むと徳本峠の分岐の徳本口があります。梓川左岸の山際の林道を進んでいくと40分程で徳沢に到着します。徳沢にはテントサイトがあり、流石にここは小梨平とは違い登山用テントばかり設営されています。軽く水分補給をして先を目指します。似たような林道を1時間弱歩くと涸沢への分岐の横尾へ到着します。横尾にもテントサイトがありますが、既に出発したのかテントは少なめです。立派なトイレとベンチがあるので昨日中津川駅で時間待ちの時に買った菓子パンで腹ごしらえをしました。
一ノ俣、二ノ俣の橋を渡ると槍沢沿いの道になります。ここまでは単調な水平林道歩きでしたが、ここからは登山道が槍沢から数メートル高い位置にあり、沢を見ながらの軽い登りとなります。そこから25分程であっという間に槍沢ロッジに到着します。沢山テーブルがありますが沢山の登山者でほぼ埋まっていました。双眼鏡が設置してあり、槍が見えると書いてありましたがガスっていたので残念ながら槍を見ることは出来ませんでした。槍沢ロッジのテントサイトは上流側へ30分程先の場所のババ平にあります。ババ平に到着した時にはテントが4張程度ありました。立派なトイレと水場があります。テント場と登山道の境目が良くわからないような感じなのでテントが多い場合はテントを避けながら歩く様になるかも知れません。
東鎌尾根の水俣乗越への分岐の槍沢大曲りを過ぎると徐々に傾斜がきつくなってきます。天狗原分岐に荷物をデポして天狗池に向かいました。天狗池は逆さ槍が見られるポイントとして有名ですが、ガスっているのでテンションは上がりません。マーキングを確認しながらガレ場をトラバースしながら最後に少し登ると約30分で天狗池に到着しました。今だに結構な量の残雪が残っていて、晴れて槍が映っていればとても良い写真が撮れそうですが、残念ながらガスっていて槍を見る事はできません。その代わり逆方向にはピラミダルな山容の常念岳を見ることが出来ました。そこから少し登ると天狗原です。白馬三山の稜線と、稜線から天狗原に伸びる尾根に囲まれており、ガスっている影響もあってかとても物静かな雰囲気でした。
元のルートに戻り殺生ヒュッテに向けて再出発しました。ここから傾斜が急になり、道もつづら折りになります。途中ヒュッテ大槍の分岐と槍ヶ岳を開山したとされる播隆上人が開山時に寝泊まりしたとされる坊主岩小屋があります。この頃には完全にガスの中に突入していたので景色も見えずただ黙々と登るだけです。殺生ヒュッテでテントの受付と水を購入してテント場所を物色しに行きました。大きな岩がゴロゴロした場所に小さめなテントが張れる程度の平地が沢山あるので平らでトイレが近い場所を選びました。殺生ヒュッテのトイレは小屋内にあり、テント泊の登山者も外からは入れるようになっていました。後に泊まった奥穂高岳山荘も同じタイプだったので最近の流行りなのかも知れません。テント設営後は背負ってきたウイスキーの水割りを飲み、貝ヒモを食べながらイトメンのチャンポンメンとアルファ米レトルトカレーを作ってボーっと過ごしました。相変わらずのガスで景色は結局見えませんでした。テント内は約12℃で少し保温性のあるシュラフカバーでは着れるもの全部着ても寒かったです。
3日目 殺生ヒュッテ~槍ヶ岳~南岳小屋
少し明るくなり、ヘッドランプが要らなくなったタイミングで出発しました。つづら折りの道をゆっくりと登っていると山荘までの距離のカウントダウンの数字が岩に書かれているのが見えました。気が付いたのはあと800mという表示からで100m毎に書かれているようでした。ありがたいですが、数字が見えるとなかなか進まないような気がします。50分程で槍ヶ岳山荘に到着しました。槍ヶ岳のふもとに来ても山頂はガスの中で全く見えません。山荘前に荷物をデポしてヘルメットを着用しカメラを持って山頂に向かいました。流石に7回目の登頂なので前回が22年前でも記憶は残っていました。ほとんどが登りと下りのルートが分離しているのですれ違いでの危険性はほぼ無いと思います。ガスのせいで岩が湿っていますが、スタンスはしっかりあるので確実に足を置いていけば問題ありませんが油断は禁物です。天気が悪いので往復間に見かけた登山者が6人ほどでした。山頂の広さはは記憶の中より4分の1程度でかなり狭く感じました。祠に行くのにすれ違いがやっとだったのでこんなに狭かったかな?と不思議な感じでした。同じタイミングで山頂に来た方がいたのでお互い写真の撮り合いをする事が出来ました。
山荘に戻りましたがガスが晴れそうな雰囲気は微塵も無いのですぐに大喰岳方面に向けて出発しました。縦走路の下りには槍ヶ岳山荘のテン場が続いていて、下の方になると結構山荘から離れています。この時間になるとほぼ撤収されています。縦走路の最初のピークは大喰岳で日本百高山の10位です。山頂は登山道から外れているので注意していないと知らないうちに通り過ぎてしまいます。中岳を通過し、天狗原の分岐を過ぎたあたりでピヨピヨとひよこの様な雷鳥のヒナの鳴き声が聞こえました。最初に母鳥が見えて続けて縞模様の小さいヒナが何匹も追いかけて来るのが見えました。普通は近づくとそれに合わせて逃げていくのですが、ここの雷鳥は警戒心が弱い様で、逃げることが無くて、こちらが止まっていると気にせず近くまで寄ってきたので、じっと観察しながらカメラで写真と動画を撮影していました。後続の登山者が来たので撮影を終了して先をめざしました。相変わらずガスの中で南岳小屋に到着した時には風も強くなりとても寒かったです。モーニングの豚汁定食が千円だったので寒くて小腹も空いていたので注文して小屋の中で頂きました。この時がまだ9時で何度か外の様子を伺いましたが天候が良くなる雰囲気も無く、次の行程が大キレットなので悩んだ挙句南岳小屋に停滞する事にしました。これから狭いテントの中で18時間もじっとするのは耐えられないので素泊まりする事にして10時のチェックイン開始から手続きして早々と本日の行動は終了しました。
夕方薄暗くなり始めた頃、外を覗いてみるとガスが晴れていました。外に出ると北穂高岳が見えていたので最寄りの獅子鼻展望台にカメラをもって出かけました。ここは大キレットと北穂高岳を一望できる有名なスポットで人で一杯になるくらい皆集まってきました。展望台の先端は映えスポットなので皆交代しながら記念撮影をしていました。大キレットが深く落ち込んで正面に北穂高岳がそびえているので確かに大迫力です。暗くなりかけると山頂直下の北穂高岳山荘がぼんやり光っていい味を出しています。気が済むまで撮影をした後は小屋に戻って自宅の布団よりふわふわの温かい布団で眠りに付きました。
4日目 南岳小屋~大キレット~北穂高岳~奥穂高岳~奥穂高岳山荘
悪天候の場合は停滞か南岳新道を下山しないといけないと思っていましたが、ガスってはいるものの風もなかったので予定通り奥穂高方面に縦走を開始しました。マーキングに従いながらガレ場を下っていきます。今までは平坦な尾根歩きだったのでガラっと雰囲気が変わり気が引き締まります。約40分で南岳小屋から300m低い最低コルに到着します。ここから長谷川ピークに向けて100m程の登りになります。長谷川ピークの名前の由来は調べた所、諸説あるようですが、昭和20~30年頃に、今の長谷川ピーク付近で法政大学の学生長谷川さんという方が滑落したものの、奇跡的に助かり、当時の北穂高小屋の小屋番の間で使われていた名称がそのまま広がったとのことのようです。ピーク先端には「Hピーク」と白いペンキで書かれていますが、通過時には気が付きませんでした。気が付く余裕がなかったのかもしれません。ピークを過ぎると馬ノ背と呼ばれる両側が切れ落ちたナイフエッジの岩稜線が続きます。桟橋を渡るとコルに到着しますが、ここがA沢のコルです。大きい岩に白いペンキで「A沢のコル」と書かれているので一目瞭然です。ここから北穂高岳までの間には長谷川ピークに続く難所の飛騨泣きが待っています。飛騨泣きの由来は特に飛騨側が切れ落ちていて落ちたら助からない事から来ているようです。高度感は抜群(ガスっていたので良くわからなかったですが)ですが、ボルトや足場が設置されているので難易度はそんなに高くはありません。危険個所が終わって登りきると北穂高岳山荘のテラスに到着します。ここまですれ違った登山者はいませんでした。テラスから下を覗くと動く物を発見し、よく見るとメスの雷鳥でした。昨日に引き続き雷鳥に出会う事ができました。
15分程休憩して小屋横の石畳を登るとすぐそこが北穂高岳山頂です。ガスの切れ間から笠ヶ岳が良く見えました。しかし残念ながら槍ヶ岳は相変わらず見えません。ガレ場下りから始まりますが、少しガスが晴れて明るくなったせいか足取りも軽くなりました。奥穂方面からの登山者もちらほらすれ違うようになりましたが、自分より若い登山者ばかりのような気がします。北穂から涸沢岳間での見どころは奥壁バンドですが、特別危険と感じる箇所はありません。危険個所には梯子やクサリ、鉄の棒が整備されているので問題ないと思います。涸沢岳山頂に着いたころにはガスも晴れて奥穂、ジャンダルム、前穂方面はクリアに望めましたが、槍ヶ岳方面はガスに覆われて見ることができません。眼下には白出のコルに建つ奥穂高岳山荘がミニチュアのように見えます。奥穂高岳山荘のテント場の受付方法ですが、最初に自分の設営したい場所にザックなど荷物で場所取りをして所定の用紙に必要事項を記入して提出します。ここのサイトも個人テントが張れるような狭い場所が多く、大きいテントはヘリポート付近のだだっ広い場所に張るようになると思います。
テント設営を済ませるとヘルメットを着用し最低限に荷物を持って奥穂高岳山頂に向かいました。最初は梯子を使いながらの急登で、登山者も多いので間隔を開けながら落石を起こさないように注意して登ります。ある程度登ると後は緩やかな登りで危険個所はありません。山頂には祠と少し離れた所に方位盤が設置されています。ここでもガスっていて景色は望めませんでしたが、ガスの切れ間からジャンダルムの山頂が少し見えました。山荘に戻るとガスの下で、前穂高岳や涸沢、常念岳、蝶ヶ岳が綺麗に見えます。今回昼食は初めてオートミールにココアとスキムミルクに水を加えたものを試したのですが、ボリュームがあってよいのですがなかなか喉を通らないので苦労しました。行動中に食べきれなかったそのオートミールと棒ラーメンを食べました。隣の人が山荘の本格的ラーメンを食べていたのが羨ましかったです。昼食後景色を楽しみながらぼーっと過ごした後は少し眠くなったので山荘前の石畳の影の部分に寝転んで少し昼寝をしました。夜はアルファ米+レトルトカレーを食べて明日の天候回復を祈って寝ました。
5日目 奥穂高岳山荘~ジャンダルム~西穂高岳~新穂高岳温泉
夜中にトイレに起きると松本市街の明かりが見えたので少し天候回復に期待が持てました。ただし天気予報では悪くは無いが良くもない微妙な感じだったのであまり期待せず再度眠りにつきました。やはり今晩も寒くて眠り難かったのですが、顔も寝袋の中に入れて口を締めると多少暖かくなりました。寒かった原因は初日の小梨平キャンプ場でエアーマットの空気が抜けて使い物にならなくなった事です。仕方無いのでザックと着替えと食料とゴミをマット代わりにしていたので寝心地も悪かったです。エアー抜けの原因は帰ってから判明しました。エアーマットの端は熱溶着で溶かしてくっ付けて止めているのですが、その溶着の幅が極端に狭い箇所があり、そこから抜けていました。(製造不良と思います)過去に5回程は問題無く使えていたのですが今回の初回で抜けてしまったようです。穴空きの補修パッチが付属していたのですが、現地では確認しても空気の抜けている場所の特定はできませんでした。特定できても今回のような状態の場合はパッチでは修理できそうにありません。
朝起きるとガスっていて松本市街の明かりも見えなくなっていました。しかし雨は降っておらず風もなかったので予定通り西穂方面に向かうことにしました。4時半頃に出発の準備ができました。すでにヘッドランプを付けて登頂開始いている登山者も多くいました。ヘッドランプが不要な程度に明るくなったら出発しようと準備運動しながら待ちましたがガスっていていつ明るくなるか目途が立たなかったのでしびれを切らせて5時前に出発しました。食料はほぼ食べつくしているのでザックはかなり軽くなっていて多分10キロ程度だと思います。奥穂高岳山頂手前にトラバースするように西穂への分岐があります。この時点で雨が降っていれば岳沢経由で上高地に下山するつもりでしたが、雨は降っていなかったので予定通り縦走する事にしました。
ガレ場の稜線を少し進むと危険ポイントの馬の背が現れます。奥穂高岳方面からだと下りになります。通常の縦走路ならクサリや足場、ボルトがあっても良さそうなポイントに何も無く、足元も見えにくくスタンスも小さいです。更に両側が切れ落ちているので一瞬も気が抜けません。滑落事故が起こってもおかしくない場所だと感じ、2度目はもう来たくない場所です。馬の背を下り切りガレ場を緩やかに登った後、ロバの耳のコルまで急降下します。ルートのマーキングがあるもののどの場所も落石が起きやすいので他の登山者がいる場合は特に注意が必要です。ロバの耳への登山道はトラバースや垂直の登りがあり、垂直の登りで登れない所があり苦労しましたが、少しルートを変えると登れる箇所があったのでルートファインディングも必要でした。一度ルートを外れてロバの耳の山頂に出た様で、ルートアウトしたので少し戻るとジャンダルム方面へのルートを発見しました。そこから稜線をジャンダルム方面に進みますが、そこも稜線の反対側に行ってしまった様でシビアな所を進んでしまいました。ルートを外れると行き詰る可能性が高いのでルートアウトには注意が必要です。ジャンダルム下部に到着すると、そのまま直登できるような雰囲気ですが進んではいけません。左手にトラバースして裏側から登るのが正規ルートです。そのルートで登ればジャンダルム自体は危険な箇所はありません。
山頂にはエンゼルマークのような鉄製の看板があるので記念撮影をしました。相変わらずガスで景色はゼロです。奥穂から西穂間で危険だと感じたのは馬の背とロバの耳の垂直な登りの2か所でした。天狗のコルへの下りで初めて対向の登山者に会いました。最近すれ違いで滑落した事故があったので安全な場所で待機してやり過ごしました。今回感じたのですが、すれ違いでは皆さんとても気を使っているようでかなり離れた場所から待機してどうぞと声を掛けられる事が多くありました。基本は待機する人が山側にへばりついてじっとする事なのでそれをいつも頭に入れて行動していました。天狗のコルで荷物を降ろして一休みしました。天狗のコルからは岳沢に下るルートがあり、天候悪化や時間オーバー時には利用できそうです。見た目ははっきりしていないので悪路かも知れません。
天狗のコルから西穂方面に進むには最初ロープ(くさりだったかも)をつかみながら結構な高度をよじ登ら無ければなりません。ここも注意しないといけない危険なポイントです。天狗の頭に登る間にルートを少し外してしまい、落石をさせてしまいました。落石の方向が登山ルートではなかったので良かったですが、ルートを外すと落石を誘発させてしまうので特に疲労して注意力が低下した場合は注意が必要です。天狗の頭・天狗岩を通過し、間ノ岳に登りました。間ノ岳はトラバースルートもあるので登頂したい場合は通り過ぎないように注意してください。西穂高岳と勘違いしたP1を過ぎて賑やかな声が聞こえだすとそこは西穂高岳山頂でした。西穂高岳に到着すると終わった感が出て気が抜けてしまいますが、ここから下山まではまだ結構距離があります。独標まで来ると家族ずれの登山者も多くなってきてとても賑やかです。西穂高岳山荘手前で雨が降り始めたので小屋には寄らずそのままロープウェイ駅に向かいました。西穂高岳山荘からロープウェイ駅までの地味な下りが妙に体力を奪って疲れました。ロープウェイは結構混んでいたので僕が臭くて迷惑をかけたかも知れません。被害妄想かも知れませんが、僕の周囲に空間が出来ていた様な気がしました。
下山後はホテル穂高の温泉に入り、ロープウェイの駅でハンバーグ定食のビールとチューハイ付きを食べてやっと落ち着きました。下山時刻が少し遅れて当日中に帰宅出来なくなった(青春18きっぷなので)ので、松本のマンガ喫茶の個室を借りて一夜を過ごしました。槍ヶ岳が1回も見れなかったのが心残りになりました。